(10)小樽銀行協会

初めて浅草橋の街園に立って、写真で見たとおりの小樽運河に来ていることに嬉しくなって、さぁ次はと振り返って交差点に向かうと、信号の向こうには坂道に続く美しい街並みが見えて、これが小樽の街なんだと感激して... そんな記憶を残した観光客はきっと私一人ではないと思います。

浅草橋から振り返った光景が一変してしまいそうなニュースが8月の初めにインターネットに流れました。交差点の角にあった小樽銀行協会の建物を取り壊して跡地に新しい屋台形式の飲食街を作る、という "小樽の活性化のための計画" で "小樽市民の憩いの場になる" ということでした。

ウェブサイト「小樽マニア大集合!!」の「小樽観光御意見板」のページでは、計画の発表から1か月以上にわたって地元の人々の激しい議論が続いていました。会社の発表では解体工事は今年11月に入ってからということでしたので、その前に是非自分のカメラで画像を残しておきたいと思っていました。

間一髪で間に合うはずでした。でも、もう銀行協会の建物はありませんでした。私が着いた前々日、小樽に初雪が舞った夜に解体されてしまった後でした。



町並みの魅力に大切な役割を果たしていた建物を手放して、引き換えに得られる "小樽市民の憩いの場" がどのようなものになるのか、まだわかりません。銀行協会の建物の取り壊しが小樽の街が壊れることにつながらないように願っています。

小川原格さんが銀行協会についてブログに書いています。
 小樽・籔半・蕎麦屋親爺の独り言 : 小樽銀行協会の再発見を!(2004.10.4)