2005/07/27 (水曜日)

倶知安の美術館へ

3年ぶりに小川原脩記念美術館を訪ねた。小樽は、台風の遠い影響で、朝から本格的な雨。前日の天気予報を見て、今まであまり時間がとれなかった文学館、博物館をゆっくり見て、まだ時間があったら図書館にも行って、一日ゆっくり過ごすつもりでいた。しかし、遅い朝食をとりながら、倶知安までの往復の車窓の楽しみを思い出して、行ってみたくなった。

前に観光案内所でもらった案内図は自宅に置いてきてしまったので、もう一枚と思ったが、今は配布していないとの事。前回親切に教えていただいたのを思い出して、「ここをまっすぐ行って、役場と後志の庁舎と消防署の前をずっと行って、カーブの手前を曲がればいいんですよね?」と聞いたら、そのとおりですと答えてくれた。

2002年8月に画伯が91歳で亡くなられたこと、倶知安に美術館があることを知り、その年の11月に訪ねたのが最初だった。今回はちょうど「しりべしミュージアムロード4館共同展 えかきの歳時記 冬 白い季節の中で」の開催中だった。『冬の始まり』『羊蹄初冬』などを再び見ることができた。会場のディスプレイの文がよかった。

  「いよいよ白い季節に入った。変容の季節なのだ。この変容への急拍のリズムと、流転の完璧な
  演出こそが、生まれてこの方何十編となく体験してきたことにもかかわらず、その都度魅せられ
  てきたことである。...」
  小川原脩が好きな季節、冬。人一倍寒がりな絵描き、小川原脩。でも、かれは人一倍『冬』が
  好きなのだ。 だから、小川原脩記念美術館の歳時記は『冬』

これでもか、これでもか、と雪が降る...という倶知安の冬。そこに生まれた小川原脩さんが好きだった冬。旅行者はどこまでも旅行者なのか。かりそめの旅行者の感興を超えて、いつか自分にも "後志の冬" の本当の魅力を感じられる時が来るだろうかと思った。

 小川原脩記念美術館

s.fujino : 2005年7月27日 23:50 / 小樽へ
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コメント

 

TBありがとうございます。
今日の小樽は真っ白世界です。
<白い>と<白くはない>という世界で育ったか、若い頃はよく「お前さんはすぐ二者択一的迫り方をする男だ」と論議が伯仲すると言われたものです。
あの、女の子にも言われましたわ(^.^)

いよいよ雪あかりの路実行委もスタートし、色々企画が上がって来てます。
今年は何人様でご来場いただけますでしょうか?

投稿者 蕎麦屋親爺 : 2005年12月10日 20:13

 

半角の<を使い、
<白い>と《白くはない》と、入力しましたがコメントアップすると<>は全部削除されてしまうようです。(^.^)

投稿者 蕎麦屋親爺 : 2005年12月10日 20:17

 

コメントありがとうございます。
今まで全角の<>は使っていましたが、
半角の「<」と「>」を使ったことがなかったので、気がつきませんでした。
根本的に解決しておかないといけないのですが、
とりあえず今、上にいただいたコメントを念力で修復しました m(__)m

投稿者 s.fujino : 2005年12月11日 01:34

 

蕎麦屋親爺様、

美術館で書きとめた「いよいよ白い季節に入った。」「変容への急迫のリズム」という小川原脩さんの言葉が、
蕎麦屋親爺の独り言:モノクロの世界 を読んで、少しだけ(頭の中で)糸口がつかめそうな気がしました。

週間予報を見たら、来週はずっと雪の予報でしたから、次の週末はもう "変容の完成" でしょうか。

>あの、女の子にも言われましたわ(^.^)
にしん漬けのあるうちにお訪ねして、そのへんのお話もお聞きしたいところですが…(ーー;

>いよいよ雪あかりの路実行委もスタートし、色々企画が上がって来てます。
>今年は何人様でご来場いただけますでしょうか?

第5回の年の「雪あかり5人組」が久々に再結集なるか?!、というところですが… 
発表までもう少し時間をください (^o^)

投稿者 s.fujino : 2005年12月11日 02:06

 

今、気がついたのですが、今夜9時からのNHK-BS2の番組
「BS20周年セレクション」で『さまよえる戦争画』が再放送されます。

2003年に放送された時にVHSで録画しました。

放送の前年、2002年に他界された小川原脩さんの在りし日のお姿も
見ることができます。

投稿者 s.fujino : 2010年1月23日 20:30


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